本文へスキップ

野球 守備フォーメーション 


2ストライクから1球外す理由

トップページ > 守備のセオリー> 2ストライクから1球外す理由


今回は野球をご覧になられていて、疑問に思われる方が多い内容だと思います。
考え方は色々ありますが、私なりの考察です。

実はこの件については過去に某質問サイトで回答したことがあります。
その時、説明が足りなかったと思う点があったので、ここで詳しく説明したいと思います。

また、配球について詳しく知りたい方は姉妹サイトの「配球論」をご覧ください。

スポンサードリンク


主な理由は

0ボール2ストライクから1球ボールを投げるのは配球のセオリーのように当たり前に使われています。
単純に考えれば、敢えてボール球を投げずに3球勝負に行けば良いのですが、当然理由もあります。

配球の布石、バッテリーの心理的効果、過去のプロ野球が作った観念の3つが主な理由と私は考えています。

配球の布石

最も意味のある理由です。
2球で2ストライクに追い込み、最後に決め球で勝負するために相手の目先を変える、タイミングを狂わせる、
意識付けするなどの目的を持ってボール球を1球挟みます。

具体例を挙げてみます。

最も良くあるのが、2ストライクからアウトコースにボール球を投げる配球です。
この1球で得られる効果です。
・バッターの目線を外に動かす
・頭にアウトコース、ストレートの意識付けをさせる
・ストレートの軌道を見せる
目線を外に動かしてインコースに気持ちよくストレート勝負、ストレートの意識付けをさせて緩い変化球、スト
レートの軌道を見せておいてその軌道から外に逃げるスライダーや落ちる球など勝負球の選択肢が広がり、布石
の効果は抜群です。

その他、インハイに速いボール球を見せた後、アウトコースに逃げる変化球や緩いカーブなどで打ちとるなど
配球の布石として使用するのが理由です。

また、この配球を行った後終盤に3球勝負を仕掛けたりすることで意表をついて三振を奪うことも出来ます。
これは1打席ではなく、1試合というスパンで考えた配球の布石効果です。

これらの布石効果を意識してボール球を投げれば、十分に意味のあるボール球と言えるでしょう。

バッテリーの心理的効果

これは2ストライクまで追い込んで安易に勝負して打たれたくないという思いやその場合のショックを考慮して
1球外すボール球を投げるケースです。

心理的なリラックス効果やヒットを打たれた場合のショックの軽減、周りの野手の落胆(0ボール2ストライクから
打たれたら「あーあ」って思いますよね笑)を防ぐ心理的な効果を狙った配球です。

日本人らしい発想の配球です。

過去のプロ野球が作った概念

V9時代の巨人軍では0ボール2ストライクから打たれると罰金制度があったそうです。
「ピッチャー有利のカウントで打たれるな」ということですね。これを回避するために1球ボールを投げる配球が
プロ野球に広まったようです。
記憶が定かでないのですが、確かこの理由はテレビで野村楽天名誉監督が言っていたはずです。

そして、それが固定概念化されていき、1球外す配球が当たり前になっていった理由の1つです。

漠然と外すなら3球勝負でいい

これは私の考えですが、漠然と外すだけなら3球勝負で良いと思います。
ストライクゾーンでの勝負を言っているのではなく、ストライクからボールになる変化球や、インローやアウトロー
いっぱいをつくストレートなどでの3球勝負です。

但し、一番最初に挙げた配球の布石としてボール球を投げるのであれば、それは十分1球外す理由になるでしょう。
配球は目的を持って投げることが重要なのです。
心理的効果も多少意味があるかもしれませんが、私は弱気なような気がしてこの理由は好きではありません。
そして、古い概念は捨ててしまいましょう。

P.S.
メジャーリーグでは2ストライクから1球外す文化は殆どありません。
この配球はやっぱり日本人的発想なのかもしれません。

スポンサード リンク


スポンサードリンク

など守備のセオリーは現在40項目。